インストール後の確認

作成:

インストールがすんだので、いろいろ確認してみましょう。
まず、ログインが出来たら、日本語が表示できる環境を起動します。 VineLinuxではコマンドからのメッセージが日本語化されていますが、 このままでは表示できず、文字化けしてしまいます。
「kon」とコマンドを入力してみてください。 何らかのメッセージが一瞬表示された後、一瞬画面が乱れ、 以下のような、それまでより高解像度のコンソールが現れます。

KON2 Kanji On Console ver.0.3.9 (2000/04/09) using VT number 1
                                    Coryright (C) 1993-1000  Takashi MANABE
                                                  1993, 1994 MAEDA Atusi
[root@localhost /root]#

以降、プロンプトは簡略化して「#」(root)、「$」(一般ユーザ)とします。

それでは、システムの状態などを見ていきましょう。

メモリ

まず、メモリがちゃんと認識されているかを確認します。それには「free」というコマンドを使います。

# free
              合計     使用済   空き領域   共有領域   バッファ キャッシュ
Mem:        257312      44188     213124      25476       4460      27352
+/- バッファ:           12376     244936
Swap:       100760          0     100760

ちゃんと、256MB分のメモリを認識している。
一般には正しく認識されるが、大容量のメモリが搭載されている場合、Linuxが自動的に認識できない場合がある。 もしも、正しく認識されていない場合は、/etc/lilo.confにある

append="apm=on"

というところを

append="apm=on mem=512M"

と、メモリ容量を書き込んで、root権限でliloと打つと起動時にメモリ容量がカーネルに知らされるようになる。 これでちゃんと認識してもらえるはず。

また、freeコマンドは空きメモリなども確認できるが、「Mem」の行にある使用済は実際にプログラムが使用しているメモリだけではなく、 OSがバッファリングやキャッシュとして利用している領域も含まれる。
Linuxではディスクアクセスなどの効率を上げるため、一度読み込まれたデータはとりあえずメモリ上に残される。 そのため、サーバーのように長時間起動していると、どんどんバッファやキャッシュ領域が増えて、空き領域が減っていく。
しかし、この領域は他の用途に必要になるとすぐに開放されるので、 この領域が増えたからといってシステムのパフォーマンスが悪くなるというわけではないのでご安心を。
この領域を差し引きした情報は「+/- バッファ」の行に表示されるので、実際の空き領域などはここを確認すればいい。

ディスクの使用状況

各ディスク(パーティション)の使用状況を表示するには 「df」というコマンドで見ることができます。

# df
ファイルシステム      1k-ブロック 使用済   使用可 使用率% マウント場所
/dev/hda1               992088     42376    899316   5% /
/dev/hda2             33734184      3004  32017580   1% /home
/dev/hda6               390440        28    370254   1% /tmp
/dev/hda7              1510504    463024    970748  33% /usr
/dev/hda8              1736200     26256   1621748   2% /var

ディフォルトでは単位はkB-ブロック表示になっているので、 最近の大容量HDDは非常に桁が大きく見づらくなってしまいます。 そこで、オプション

-mメガバイト単位での表示
-h適当な単位で表示MB,GB,TBなど、一単位は1024で計算
-H-hと同じだが一単位1000で表示、販売時に表示される容量はこれ

などを使うと見やすくなります。
他に、ディレクトリがどの程度の容量を消費しているのか をみるときは「du <ディレクトリ名>」というコマンドがあります。
このコマンドはそのまま実行すると、サブディレクトリが消費している容量まで表示してしまうため、 階層上位のディレクトリを指定すると収拾がつかなくなります。
そこでオプションで「-s」と指定すると、指定したディレクトリの消費している容量の合計だけを表示してくれます。
表示する数値の単位は「df」と同様のオプションで変更できます。

起動しているプロセス

自分が起動したプロセスは「ps」コマンドで見ることができます。
ちなみに「-A」とオプションをつけると動いているすべてのプロセスが表示されます。

# ps
  PID TTY          TIME CMD
  555 ttyp0    00:00:00 bash
  591 ttyp0    00:00:00 ps

起動してからの時間、平均負荷

起動してからの時間、平均負荷などを表示するのに「uptime」コマンドを使います。

# uptime
 午後04時59分  稼働 30分間,  2 ユーザ,  負荷平均率: 0.22, 0.09, 0.03

平均負荷率は3つの数字で表示されますが、これはコマンドを実行する1分、5分、15分の間の平均です。

top

「uptime」「free」で表示された情報や、動いているプロセスを表示するコマンドが「top」です。

# top
 午後11時13分  稼働 15分間,  2 ユーザ,  負荷平均率: 0.01, 0.22, 0.17
プロセス: 合計 46, 待機中 45, 実行中 1, ゾンビ 0, 停止中 0
CPU状態 : ユーザ 0.3%, システム 0.5%, nise 0.0%, 待機99.0%
メモリ  : 合計 257312K, 137432K使用, 119880K空き, 8048K共有,119400Kバッファ
スワップ: 合計 100760K,   1316K使用,  99444K空き            3688Kキャッシュ

  PID ユーザ   優先 NI サイズ 常駐 共有 状態 LIB %CPU %MEM 時間 コマンド
  713 root      14   0  1100 1100   808 R      0  0.5  0.4 0:00 top
  667 root       7   0   276  196   128 S      0  0.3  0.0 0:01 kon
    1 root       0   0   480  480   412 S      0  0.0  0.1 0:05 init
    2 root       0   0     0    0     0 SW     0  0.0  0.0 0:00 kflushd
    3 root       1   0     0    0     0 SW     0  0.0  0.0 0:16 kupdate
    4 root       0   0     0    0     0 SW     0  0.0  0.0 0:00 kpiod
    5 root       0   0     0    0     0 SW     0  0.0  0.0 0:00 kswapd
    6 root     -20 -20     0    0     0 SW     0  0.0  0.0 0:02 mdredoveryd
    7 root       0   0     0    0     0 SW     0  0.0  0.0 0:00 khubd
  268 bin        0   0   316  312   236 S      0  0.0  0.0 0:00 portmap

プロセスはもっとたくさん表示されるんですがこれくらいで勘弁してやってください。
top実行中にはいくつかのコマンドが使えます。

スペースすぐに表示を更新
h or ?ヘルプの表示
kプロセスをKill(強制終了)する。プロセスIDとそれを送る信号を要求される
n表示されるプロセスの数を指定する。数字を入力するように要求される
uユーザの順にソート(並べ替え)
Mメモリ使用量の順にソート
PCPU使用率の順にソート
qtopの終了

などです。他にもありますがそれはhまたは?と入力してヘルプを参照してください。

/proc カーネルの内部状態

パーティションについて書いたとき(第5回参照) /procにはカーネルの内部情報にアクセスするためのファイルがあるといったが実際に見てみよう。

# ls /proc
1    344  470  497  523  83       filesystems  loadavg  net         swaps
2    345  474  498  524  apm      fs           locks    partitions  sys
288  346  475  499  525  bus      ide          mdstat   pci         tty
3    357  490  5    528  cmdline  interrupts   meminfo  rtc         uptime
316  375  493  500  551  cpuinfo  ioports      misc     scsi        version
325  389  494  520  555  devices  kcore        modules  self
339  398  495  521  6    dma      kmsg         mounts   slabinfo
343  4    496  522  620  fb       ksyms        mtrr     stat

いろいろと訳の分からない名前のファイル名が見えますが、たとえばcpuinfoの中身を見てみましょう。
通常のファイルと同じように「cat」コマンドで内容を表示できます。

# cat /proc/cpuinfo
processor       : 0
vendor_id       : AuthenticAMD
cpu family      : 5
model           : 9
model name      : AMD-K6(tm) 3D+ Rrocessor
stepping        : 1
cpu MHz         : 451.035
cache size      : 256KB
fdiv_bug        : no
hlt_bug         : no
sep_bug         : no
f00f_bug        : no
coma_bug        : no
fpu             : yes
fpu_exception   : yes
cpuid level     : 1
wp              : yes
flags           : fpu vme de pse tsc msr mce cx8 sep mtrr pge mmx 3dnow
bogomips        : 901.12

基本的にはここのファイルは情報を格納しているだけで、あまり見やすいように考慮されていないため 上に書いたような見やすいフォーマットに書き直してくれるコマンドがいろいろ用意されています。

HDDのベンチマーク

次は、取り付けにかなり苦労したHDDの性能を見てみます。
「hdparm」というHDDのパラメータを設定するコマンドにテストオプション「-t」をつけると、 現在の設定でのベンチマークをとることができます。(パラメータはいじらない)

# hdparm -t /dev/hda

/dev/hda:
 Timing buffered disk reads:  64 MB in 34.72 seconds =  1.84 MB/sec

なんと、悲しいことに1.84 MB/sec・・・
HDD、IDEインターフェースともにATA/100に対応 つまり最大で100MB/secのスペック、まあ規格理論上の最大値なんて出ないにしても、 HDDのオフィシャルサイトの情報によると(Seagate) 平均スループットは14.5MB/sec以上、最大スループットは54.5MB/secとある。
いくら何でも遅すぎる。
どうやらPIOモードでしか動作しておらずDMAが効いていないようだ。

というわけで、続きは次回ということで(オイオイ)